キックが下か、ベースが下か
前回、HIP HOP,R&B系のトラック制作で最も大事なドラムパート制作において、太くて抜けるキックはどうつくるかと書きました。
その中でも少し触れた、トラックダウン時の帯域はベースが下になるのか?キックが下になるか?という事に補足がてら、書いていきたいと思います。
まずキックが下になる場合、これはR&BとかHOUSEものが圧倒的に多いです。ダンスミュージックを象徴している証拠ですね。
ちょっと古いところでいうと、テディーライリーに代表されるようなニュージャックスイング時代から、2000年代~現在において、概してドッていう感じのガッツのあるキックがちょっとボリューム出しすぎなんじゃないのっていうくらい、前に出てる曲って多いです。
ベースが下になる場合は少し古め(90年代くらい)のHIP HOPに多いですね。HIP HOPの人達はスネアの鳴りにこだわるので、スネアを強調していることも関係していると思います。
コアなHIP HOPだと、ダンスミュージックとして、踊るというよりは首を振ってノレるかどうかというとこですね。
90年代の A TRIBE CALLED QUESTのサウンドのように、キックは前にあって抜けている感じで、ベースの方は後ろの方であまり輪郭を出さずに地響きように鳴ってるという処理が特徴的でした。
サイン波のようなベース音っていうのはHIP HOPのトラック制作では、一時期とても流行ってましたね。
この当たりは彼ら4枚目[Beats, Rhymes and Life]、から5枚目の「The Love Movement」辺りが顕著かと思います。
どちらにしても、音色にもよりますが、具体的な数値は60hzくらい意識するとローエンドが豊かになるサウンドが得られるでしょう。