Tokyo DTM Connection

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ドラムトラックの制作の肝 2

前回ドラムで最も重要なのはキック(バスドラ)であるということを書きました。

今回はいわゆる使えるキックでどんなものだ?というお話し。

気に入ったキック素材があったとしても1本だと、なんか弱い。

キック、スネア、ハイハットでとりあえずビーツ組んでみたけど、ビーツだけ聴いてる分には、問題ないがウワモノ(サンプル、シンセ、ギター、ストリングス)を入れたら、もう埋もれちゃってる。。

全然抜けてこないし、何よりドンッていうダンスフロアで、ズボンの裾を振るわせるような低音が足りないなぁ、なんてことはよくあります。

クラブミュージックで、最も大事なのは当然ドラムですね。

一番帯域が低くなるところをキックで出さなければなりません。数値で書くとだいたい50hzくらいから60hzくらいですね。

この部分を後程行われるミックスダウンの過程でガッツリ出すことになるのですが、元の素材が良くて、その部分が含まれていないと、どれだけ腕の良いその道のプロのエンジニアさんがミックスをしたところで、レンジが広くてキックが抜けてドシッとくる感じにはなりません。

トラックを作っている段階で、良い素材を使っていることがキーポイントになってきます。

で、1本でもの足りないな感じたら、レイヤー(重ねる)しましょう。

今使っているキックドラムそのものの素材にニュアンスを変えれるような音色を重ねていきましょう。

因みに私の知っているR&B系のトラックメーカーの人は、キックだけで20トラックくらいあったりします。

重ねればよいということでもないですが、リズムでいろんなアプローチをしたり、微妙なニュアンスを表現したりという理由でその方はそれだけ必要だったのでしょう。

これはかなり上級者のアレンジだと思います。これからの方は、まずはニュアンスの違うもの同士の素材でレイヤーしていきましょう。

例えば、ドッていう音とドューンっていうのを重ねるとか。

一番欲しい50hzくらいから60hzくらいが含まれている素材は、分り易くいうと808サウンドですね。

BPMの遅~い今アメリカで流行ってるHIP HOPのサウンドに使われているドゥーン、ドゥーン、と鳴っているアレですね。

一番簡単にボトムを太くしたり、レンジを広くするという方法は今あるキックに808キックをレイヤーするだけでかなりガッツがでます。

じゃあベースとの兼ね合いはどうなるの?とか、出音の帯域が結構被るんじゃないの?という流れになってきますが、その当たりは、マスキングという話になってくるんですが、それは、また次の機会に。