シンプルなだけじゃイヤ!
こんばんは、KOJI obaです。
シンプルという言葉は音楽で非常に重要なキーワードです。
ボサノヴァのクラシック「ワンノート・サンバ」という曲があります。(オリジナルはアントニオ・カルロス・ジョビン)
One Note Samba ; Antonio Carlos Jobim
https://www.youtube.com/watch?v=eEkMwotUuic
ワンノートとは1つの音という意味で、この曲では最長ほぼ8小節の間、メロディがずっと同じ音程です。コード進行もとても小気味の良い感じで、ボサノヴァで大好きな曲の一つです。
この曲に触発されたわけではないのですが、ぼくが提供した曲にも、比較的メロディがシンプルなものがあります。
UP↑ぷらいむ – バンドじゃないもん!
https://itunes.apple.com/jp/album/up-puraimu/id989612082?i=989612285
(iTunes Storeで試聴ができます)
A、A’の間16小節、ワンノートならぬワンコードです。メロディもルート音の割合が非常に多くなっています。
ただ、そういった要素だけだとこの場合シンプルすぎると感じたので、シンプルさは保ちつつ、アクセントを加えようと思いました。
具体的なポイントを書くとこんな感じです。
【作曲レイヤー】
①コードは16小節同じ(Eメジャー)。
②メロディは極力ルート音またはコード構成音(Eメジャー)の音で遷移する。
③メロディはモチーフを繰り返しつつ、移動する音を一定の繰り返し毎にかえる(E→D#だったりE→G#だったり)。
④メロディはルート音で始まってルート音で終わる。
【アレンジレイヤー】
⑤ベースはAは4小節ブロックの頭のみで、A’からしっかり入れてA’内4小節でオクターブを変える。
⑥ギターも同様にAは4小節ブロックの頭のみ、A’はずっと同じオクターブカッティング。
⑦A’からシンセのアルペジオin。
⑧ドラムは基本8ビートで16小節通す。
これらを、”作曲・アレンジ”のレイヤーの対比ではなく、別の分類をしてみます。
《静的要素》
①
②
③※
④
⑥※
⑧
《動的要素》
③※
⑤
⑥※
⑦
静的要素というのは、”変わらない”要素という意味です。
対して動的要素というのは、曲に”変化をもたせる”要素を指します。
上の分類比較でもわかるように、作曲だけに静的要素を持たせているわけでもないし、その逆でもありません。
この曲の場合、分類上はアレンジによって変化を出している比率が高い、とはいえるかもしれませんね。
(※⑥のギターに関しては、AとA’で違いはあるものの、ベースがA’の4小節ずつで変化があるのに対して同じアプローチを続けるという意味で、両方に分類しました。③も同様です。)
もちろん、実際こう堅苦しく考えているわけではなくて、わりと何となく作りながらあれこれした結果がこうなってたりします。
複雑なものをいかにシンプルに聴かせるか、シンプルなものをいかに退屈させずに聴かせるか、
そういったことを無意識に考えるし、ほかの多くの人もおそらくそうだと思います。そしてそれは音楽に限ったことでもありませんね。
みなさんも自分の曲や他人の曲で、こういった考察をしてみると、新しい発見があるかもしれません。