Tokyo DTM Connection

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SAM SMITH[RESTART]のコード進行から分析できるノンダイアトニックコードの手法とは?

こんばんは、DJ TAKI-SHITです。

先日グラミー賞を4冠受賞したSAM SMITHの「RESTART」のコード進行
について書いてみたいと思います。

僕がSAM SMITHの事を知ったのは、一昨年リリースされたのDISCLOSUREの[LATCH]です。

個人的にはDISCLOSUREのなんとも90年代初頭のアンダーグラウンドな
ニューヨークスタイルのハウスの雰囲気を彷彿させるサウンドに
ガッツリ心を奪われてしまったのですが、

どちらかというと、大化けしたのはボーカルを務めたSAM SMITHの方でした。
(もちろんDISCLOSUREも売れてますけど)
甘美な声質と圧倒的な歌唱力で瞬く間にスターダムへと上り詰めましたね。

ということで、アルバム「IN THE LOUNLY HOUR 」の中で
クラブフロア対応しているビーツが秀逸な[RESTART](国内版のみ収録)の
コード進行を分析してみました。

コードとってみました。こんな感じですお聞きください。
http://tokyo-dtm.com/mp3/restart_chord

[key of A♭]
D♭M7 – E♭- Fm7 という非常にオーソドックスな循環コードです。
ダイアトニックコードで考えると、キーはA♭なので [4M7 - 5-6m7]という感じです。

ダイアトニックコードについてはこちらをご参照ください ↓
ダイアトニックコードを習得しよう
http://ameblo.jp/taki-shit/entry-11680988270.html

この曲の構成は洋楽(死語…)の曲にありがちな、Aメロ、Bメロ、サビも
基本的に2小節のループで流れていきます。

後半のエンディングでまた違ったコード進行になりますが、今回はそこは割愛します。
サビ前のフィルの役割として、コード進行がループからG♭M7に変わって、
同時にダッダッダッダダ!となってサビに行くというちょっとしたスパイスが加えてあります。
ここでフィル代わりになるG♭M7はノンダイアトニックコードなので、セオリーから外れますね。

こういうところが洋楽っぽいニュアンスをを出す為の肝となっており、
これがあるとないとでは楽曲のクオリティーの高さが全く違ってきます。

そしてG♭M7からKey Of A♭のドミナントである、E♭7に
落ち着いて再度サブドミナントであるD♭M7からループが始まるという流れです。

補足するとこの場合、ドミナントにいく手前でE♭7sus4を挟んで E♭7に
落ち着かせるというパターンもありです。
こういうのは、昔ながらのバラード系のコード進行に多いパターンです。

ダイアトニックコードが理解できれば、世の中にある大概の曲
(特に商業音楽)は分析することが可能です。

曲を細かく分析することができれば、それをネタとしてモチーフに
してオリジナルアレンジを付加していけば、原曲のニュアンスを
含んだ自分なりの新しい曲を量産できるようになっていきます。

またノンダイアトニックコードも理解できれば、曲に一味スパイスを
加えることができ、もうワンランク上に行くことができます。
日々勉強が大事ですね!