Tokyo DTM Connection

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メロウヒップホップの金字塔 WARREN G[This DJ]のコード進行

こんばんは、DJ TAKI-SHITです。
WARREN G[This DJ] はおよそ20年前にリリースされた曲です。古いですね~。
私は今でもこの曲が大好きです。

当時1994年頃、ウエストコーストラップはメロウなコード進行にピローという
これまた切ないリードの音が鳴るというサウンドプロダクションが
特徴的なG-Funk全盛時代でした。

それまでハードコアスタイルのギャングスタラップ一辺倒だった、
西のHIP HOPアーティスト達は、94年以降みんなそろいもそろって
G-FUNKスタイルに移行していったのが非常に顕著であった時代でした。

そんな中WARREN G[This DJ]はあまたあるG-FUNKラップの中でも
生え抜きのクオリティーの高さでアメリカでも大ヒットし、日本でもでも
クラシックとなっており、未だファンの多い1曲です。

WARREN G[This DJ]のコード進行ですが、前回書いた
セツナポジティブコードによく似ています。

セツナポジティブ系コード進行 4-5-3-6を使い倒そう!
http://ameblo.jp/taki-shit/entry-11983932304.html

これはこれで、ポップス対応としては非常に使い易いコード進行ですね。
今回のWARREN G[This DJ]のコード進行は、これを少しスパイスを
加えてブラックミュージック特有の切ない感を見事に出しています。

とりあえず、この曲のコード進行を分析してみました。
こちらをお聞きください。
http://tokyo-dtm.com/mp3/warren_g_this_dj.mp3
こんな感じですね。

コードの進行は、GM7 – F#7 – A/B – Bm7 (key of D) です。
つまりダイアトニックコードで考えると、
4 – 3 – 5 – 6 のちょっと変形盤といったところでしょうか。
ダイアトニックコードに関しては、こちらをご参照ください。

ダイアトニックコードを習得しよう
http://ameblo.jp/taki-shit/entry-11680988270.html
 このコード進行で、一番の肝になっているところは、紛れもなくF#7です。

通常ダイアトニックコードコードで3番目にくるのは、F#m7のはずです。
でもこのコードの進行では、本来くるはずのF#m7が、ドミナントの7thになっているのです。

理論さっぱりわからない…の方には、少し難しいかもしれません。
ただこのダイアトニックコード上、3番目の3m7が、ドミナントの7thになることで、
ブラックミュージックに必須な切ない感を出すことができるのです。

 道理でわからない方は、難しく考えずにF#m7(3m7) が
F#7(3 7)に変化すると切なくなると覚えてしまいましょう。

このコード進行のように 4 M7(サブドミナント)から3 7の流れは、
メローなHIP HOPやR&Bをやるのに、超基本中の基本のコードの流れなので、
まずここをしっかり理解することが大事だといえます。

これを知らないとコード進行でブラックミュージック特有の切ない雰囲気を
出すのはどうやっても不可能、と言っても過言ではありません。

 逆にいうとこれさえ知っていれば、あとはコードを少し変えたりテンションを
加えることだけで、バリエーションを増やすこともできるので、
まずはやはりここをきちんと押さえておきましょう。