Tokyo DTM Connection

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音楽を作るのに理論は必要か

onpu403

こんばんは、DJ TAKI-SHITです。

先日、私が講師を担当するトラックメイカーコースで、ベーシックな音楽理論をテーマに講義 を行う機会がありました

DTM関連の機材の事だったり、トラックのネタになっている曲が何なのかということは、トラックメイカーと しては、取っ付き易く自然と頭に入ってくるものです。

ただこれがルートに対して、半音がいくつ上がると長三度、またルートに対していくつ下がるとマイナーセブンに あたる、すなわち短七度になる、はたまた完全五度ってどこになるの?っていうセオリー的なハナシになってくると…

あー!も うイイです! となってしまうものですね。

はい、私ももちろんそうでした。

「だいたいこんなもの知らなくても良い曲作れるし」
「いやむしろ理論を知らない方が自由な感覚で革新的なモノを作れる」

そんな感じに思ってました。いやあ、今思うと勘違い甚だしく恥ずかしいですね。
どんな業界世界でも、基本的にベーシックなセオリーや基礎的なやり方を知らずに突き抜けた人っていないんですよ ね。

優れた結果を出している人ほど、良い先生や、メンターにあたる師匠が居て習っていたり、学校に行って基本をキチ ンと学んでいたりするものなんですよね。

例えば、ピカソが最初からシュールレアリスム的な絵を書いていたかというと、そんな事はないですね。基本的なデッサンなどを書いたら、非常に上手だったというハナシを聞いたことがあります。

つまりセオリーを知っていて、基礎体力が高いレベルに達することで、わざと通例を無視したような事だったり、常識を逸脱したような技や芸当が可能になるということですね。つまりある程度コントロールできるようになるということですね。

またヒップホップの世界でも、PETE ROCKが、最初から自分だけで、機材の事も熟知して、センスの良いトラック を作っていたかというと、そんな事はないです。師匠であるMARLY MARLの元で修行したからです。

そもそも最初から感覚の趣くまま我流で、全てをやってしまおうと思うと上手く行かないことがほとんどです。
音楽制作に関して言うなら、理論をある程度きっちり抑えておくと、制作のメソッドをシステム化することが出来、 コントロール出来るようになります。

別に全てを網羅して熟知する必要はないんです。使用頻度として比較的高い基礎的な事が大事だという事なんです。

僕はセンスのみに頼ってサンプリングだけで曲を作っていたころは、いつも突発的な偶然性を信じて制作をしていました 。
つまり完成度にバラツキがあるということですね。イイものが出来る時もあれば、ネタがどうしようもないと、仕 上がりもショボいものになってしまう。そんな感じでした。

プロであろうとアマであろうと、制作を効率化して方向性をコントロールして行くスキルを身に付けたいのであれば、基本的な音楽理論は必須であると、今は断言出来ます。

セオリーを身に付けていくのは、なかなか難儀な事ではありますが、[急がば回れ]で、少しずつでもよいので地に足をつけて、学んで行きましょう。