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ラップトラックでお手軽に展開をつくる方法

こんばんは、DJ TAKI-SHITです。
今日は、ラップトラックを作る際、どう展開をつけていくべきかについて書いてみたいと思います。

基本的にHIP HOPのトラックって、ネタ一発のワンループの曲が多いです。
短いもので1小節のもの、だいたい2小節~4小節のものが聴き手を飽きさせない
という観点から良く使われていますね。

長いものでだと8小節くらいのループを作るときも組むこともあったりしますが、結構レアケースですね。
ネタループを組んだトラックの場合ですと、基本的にそのネタのキーや、
コード進行に合わせて曲を展開していくことがほとんどです。

またループがどこかからのサンプリングのネタの場合、
基本的にコードの進行やベースを変えることができないので、
トラックの緩急すなわち展開を作っていくのは、ドラムのみという考え方になります。

では、ドラムすなわちビーツでどのような展開を作っていくべきなのか。
細かくキックやスネアを打ち込み直して、フィルを作ったりしていくのも
もちろん有効なのですが、もっと手軽にできる方法があります。

それは単純にループのネタや、ベースやビーツそのものを抜き差しするということです。
一つ例を出してみましょう。
この曲の一回目のサビ開けの1:32~くらいからを聴いてみましょう。

MC Melodee – DiscoDip

メロウなネタのエレピとベルフレーズのループそのものが消えて、
サブベースとビーツのみになっていますね。そしてベースも無くなって、
シンプルなキックとスネアのみになっていっています。

コード進行の展開が無くても、ドラムパートでこういったブレイクのような措置を
するだけで、簡単に曲の展開に凹凸をつくることができます。

非常にシンプルな手法ですが、手軽で非常に有効です。

またこの手法はラッパーが強調したい言葉を言ってるときに、
その部分だけ全部トラックをミュートするという方法でもよく使われますね。

これをやると、ラッパーの伝えたいことがより強調することができます。
ただこの手法は90年代のHIP HOPトラックに多用されたので、
今時感を出すのには少し向いていないかもしれません。

今回のMC Melodeeの曲に関しては、どちらかというとブレイクのようなところを
作って曲に緩急を入れてることで、展開しているという処理方法ですね。
これは1回目のサビ開けの、2番の平歌の頭でよくやるパターンですね。

簡単にできるので、ラップトラックを作る際、どうしても平坦になってしまって、
展開が欲しい時はとりあえずこれを試してみましょう。