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iTunesでU2がアルバムをタダで配ってしまったということ

こんばんは、DJ TAKI-SHITです。


iPhone6,apple watchなどがアナウンスされて、

ここ最近話題に事かかさないアップルですが

音楽業界でも今までの音楽ビジネスモデルのマーケティング手法を

覆すのようなサプライズな事がありました。


世界的なメガバンドであるU2が突如、itunes上で

新アルバム「Songs of Innocence」 無料配信をしました。


つまりitunesアカウントを持っている人全員にタダで

配ってしまったということです。


今までもU2は、iPodのCMソングに出ていたり、

appleとの親和性は高かったです。


しかし様々なアーティストのたくさんの楽曲が売られている

itunes上でいきなりU2レベルのアーティストがアルバムをタダで配る!


なんていう、他のアーティストのセールスに大きくする影響するような

センセーショナルなことをやってしまったのです。



従来の音楽ビジネスマーケティングの場合、


U2の所属先であるユニバーサルミュージックがitunesに広告料を払ったりして

たくさん売ってもらって、レコード会社としてその原盤権の利益を得る。


そしてアップルは手数料を頂く。このような形でした。



しかし今回のは、アップル側がユニバーサルミュージックと、U2側に

リリース前にアルバムの売上分をウチが買い取りますよ、と言って一括買い上げして

しまったワケです。


支払われてた額は非公開ですが、U2級のアーティストであれば、相当な額でしょうね。


その代わり条件として、最低でも1億ドル規模のマーケティングキャンペーン

をこなすということらしいです。



文化人でもあるボノ率いるU2と常に革新的な動きをするアップルが組んだ

見事なシナジーを生み出したまさに新しい音楽ビジネスマーケティングですね。


全世界に向けて一瞬にして、伝えることができて、なおかつ斬新さとサプライズ感で

多くのネットユーザーの口コミによる拡散性も高いです。



しかしこれでまた、リスナーが音楽に対しお金を払うという行為から

遠ざかることに一歩進んだということにもなりますね。


今までitunesで何も考えずに好きなアーティストの曲を買ってた人は

なんだ、タダでもらえるんじゃん!的な感覚を知ってしまった人が

多く増えたということ。


そしてU2のような超ビッグアーティストがitunesでアルバムでタダで配る

ということは、U2よりも格下のアーティストの方々は、今後itunesで

楽曲を売るハードルが高くなってしまうことになり、無料で

配らざるを得ない状況にますます追い込まれてしまう。

ということも想像できてしまいます。


着々と音楽は無料の時代に進みつつあります。




アップルは少し前にbeatsを買収してのもあって


来るべくストリーミング型サブスクリプションサービス

時代への伏線的に今回のマーケティングを行ったのかなという印象も

ありますね。



どちらにしても、大衆的な音楽のデジタル化というのは、

止まることはないので、我々ミュージシャンも変化に対する

自らの変化というのが求められる時代なのかなという見解です。