Tokyo DTM Connection

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音色のレイヤー時に気を付けるべきこと

こんばんは、DJ TAKI-SHITです。
今回はUS,UK産トラックを意識しながら作っていくという観点で、音数の問題にフォーカスして書いてみたいと思います。

以前、こんな記事を書いています。
J-POPとUS産 R&B,HIP HOPの楽曲構成の大きな違い
→ http://tokyo-dtm.com/blog/jpop_us_track.html

軽くおさらいをすると、J-POPはまず聴き手をつかむ為にサビが頭にあったり、飽きさせないように、コードの進行が細かく変わっていったり、なるべく派手にフレーズをたくさん作ってあったり、とにかく展開を凝って作ってあるのが顕著です。

対してUS,UKものトラックは、基本的に循環ループ一本で構成されており、まずビーツに重きがおいてあり、必要最小限の音数でこれだ!というフレーズがメインに、最後までいくことが多いというという話でした。

よく音楽作家の仲間内でも今回の仕事は1曲のPRO TOOLSセッション上でトラックの数が150本だったとか、トラック数がどれだけいったのかを話していたりする方がいらっしゃいます。

正直後からミックスするエンジニアさんの事を考えると、不憫に思います。

1セッションのトラック数は、少なければ少ない程よいです。

この音色を選んだことに確信があって、迷いがないとも受け取れるからですね。
同じような音色が何個もあると、どれを柱にするのかなどで制作者との便宜を図ったりと手間や時間がかかってしまいます。
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エンジニアさんとしてはセッション上のトラック数が当然少ない方がミックスし易いですし、他の一音一音の処理により多くの時間をかけることができますしね。

欧米トラックは音数は少ないです。ただ正確にいうと音数が少なく聴こえるような措置がとってあると言った方が適切です。

実は結構重ねているんですね。

無数のトライ&エラーの中、やっとの思いで考え抜いたフレーズ。まさにこれだ!と自分の中で思えるフレーズができたたしましょう。
ただ自分の手持ちの音源の一本では、なんだか自信ない…

そんなときは、ドラムでレイヤーをするごとく重ねていきましょう。

ただよくあるNGパターンとして、同じような音色を何本もレイヤーするのは適切ではありません。
なぜなら後々ミックスをする時にどう処理すべきかを悩んでしまいます。
同じような音色ということは、その2つ(3つ、4つ)の音色は周波数が同じような帯域ということです。

そもそものアレンジメントの考え方としては、それぞれの周波数の配置を振り分けして、適切に処理していくことが目的なので、同じような音色がたくさんあると、それぞれの役割がダブってしまうからです。

例外として同じ音色を使っていたとしても、一方はドライなまま、一方はなんらかのエフェクト処理がしてあって、帯域が被らないなどの場合は、もちろんありです。

重ねたときに、それぞれの役割分担がきちんとなされていて、さらに同時に鳴ったときにその効果のニュアンスがきちんと出るようにレイヤーしていくのがベストです。